中国には「スーパーリーグ」と呼ばれるプロサッカーリーグがあります。このスーパーリーグは1993年に設立された日本のプロサッカーリーグ「Jリーグ」から遅れること1年、1994年に設立されました。
このスーパーリーグが今凄いことになっています。それぞれのチームに資金豊かなスポンサーが付いたことによって、中国マネーによる世界各国の有力選手の爆買いが起こり、2014年のブラジルワールドカップにも出場した元ブラジル代表のフッキやオスカル、元アルゼンチン代表のラベッシやマスチェラーノなどがスーパーリーグに所属するチームに移籍してきました。
なぜ今スーパーリーグはこのようなことになっているのでしょうか?それには中国の国家プロジェクトが関係しているんです。
中国が国を挙げた国家プロジェクトとして、サッカーの強化に乗り出しました。これは中国政府のトップである習近平国家主席がサッカー好きなことから開始された国家プロジェクトで、中国のワールドカップ出場の常態化・ワールドカップの中国開催・2050年までにワールドカップの中国の優勝という3つの目標を段階的に達成していくというものです。
これまで、中国にもプロサッカーリーグのスーパーリーグがあり、スーパーリーグのチームに所属する中国人選手によって中国代表チームが構成されていますが、あまり良い成績を残していません。目立った成績と言えば、2004年のAFCアジアカップ準優勝、2002年日韓ワールドカップ出場(グループリーグ敗退)くらいです。2002年ワールドカップにいたっては、日本と韓国が開催国による予選免除があったおかげにより予選を通過できたようなものでした。
サッカー好きな習近平国家主席はこのようなレベルの中国のサッカーレベルを上げるために、国家プロジェクトとしてサッカー改革・強化を指示しました。
中国のプロサッカーリーグ「スーパーリーグ」のレベルは日本や韓国に比べると劣っています。中国ではサッカーの人気が低く競技人口が少なく有望な選手が発掘されていないという現状があります。
しかし、これから競技人口を増やして、その子供たちが成長するのを待っては時間が掛かってしまいます。そのため、スーパーリーグはヨーロッパの各リーグに所属する実力のある選手をスーパーリーグのチームに所属させ、リーグのレベルを上げるという手法をとりました。
どうやってそのようなトップレベルの選手を移籍させたかというと、中国マネーです。スーパーリーグのチームには豊富な資金があるスポンサーがついています。巨額な移籍金と年俸を用意することでヨーロッパのチームから引き抜いたわけです。特に2016年~2017年のシーズンの移籍はすごく、元ブラジル代表のオスカルは6780万ユーロの史上最高額で移籍してきました。
ヨーロッパのチームから移籍してきた選手には、元ブラジル代表のフッキやオスカル、元アルゼンチン代表のラベッシやマスチェラーノなどの各国の代表クラスの選手が何人もいます。
3つの目標を達成させるための総合プランは50条からなります。
中国にはサッカー選手になるための環境が整っていません。日本では、小学生の頃から地元のクラブチームやプロチームの下部組織などに入りサッカーの技術を磨いていきますが、中国にはそのような環境が整っていません。
まず、中国はこの環境を整えるため、全国に30の育成重要地点を指定し、小学生・中学生を対象としたサッカー学校を2万校設立しました。
また、2026年までに、サッカー専用の競技場を全国に100ヶ所以上建設することを計画しています。サッカー専用の競技場をたくさん作ることで、国民にサッカーへの興味を高め、将来的に10万人以上のサッカー選手を誕生させ、さらにはイタリアのセリエA、スペインのリーガエスパニョーラ、イギリスのプレミアリーグ、フランスのディビジョン1など、中国人をヨーロッパの各国リーグへ送り込めるように育成強化を計画しています。
中国は、ワールドカップで4度優勝したことのあるドイツと2016年にパートナーシップを締結しました。
このパートナーシップは、中国のサッカーレベルが上がるように、ドイツがリーグ運営のノウハウやピッチレベルのノウハウを提供する代わりに、中国がドイツへの出資や市場進出をサポートするという内容で、5年間のパートナーシップ契約を結んでいます。
サッカー強国であるドイツが中国と協力関係にあることは、同じアジアの日本にとって驚異的なことです。
日本のJリーグも1993年の開幕当初から、ブラジルの黄金のカルテットの1人ジーコや、ACミランで選手と監督を務めたレオナルド、スーパーリーグの広州富力の現監督のストイコビッチなど世界的な選手が所属し、現在もスペイン代表のイニエスタがヴィッセル神戸に、元ドイツ代表で2014年ワールドカップ優勝メンバーのポドルスキーがヴィッセル神戸に所属するなどしていますが、どこかのサッカー強国からサポートを受けているわけではありません。
中国が2050年までにワールドカップ優勝を目指しドイツからサポートを受けることを決めたように、日本もワールドカップで優勝するためにサッカー強国とのパートナーシップ契約を結ばなければいけないでしょう。